玉山国家公園

アジア随一の霊峰

日本統治時代(1895-1945)には、“日本一”の高さと偉容を誇り、その名も「新高山・ニイタカヤマ」として親しまれていた玉山。その標高はおよそ3952m、アジア随一の霊峰です。

人間の肺と心臓だけで登れるぎりぎりの高度と言われる“新たに高い山”が、台湾領有によって日本地図に加わったことから、この名前がつきました。しかし、日本の敗戦後、「玉山」と改名されました。

玉山国家公園の総面積は合計約10万3千ha。フィリピン海プレートとユーラシアプレートが何度となく衝突してできた地層からできているので、壮観な崩壊地跡や断崖地形がみごとです。

広大な面積を誇る玉山国家公園は、東は馬利加南山から玉里山の主稜線まで。西は梅山村の西側渓谷沿いにある楠渓林道の西側稜線から鹿林山、同富山まで。北は東埔村第一鄰の北側渓谷から郡大山稜線に至るラインと、さらに順哈伊拉羅渓から馬利加南山の北峰まで。そして南は新康山、三叉山から、塔関山、関山まで続いています。

台湾百岳(日本の「日本百名山」に相当)に挙げられる3000m級の山々がそびえる公園区には、秀姑巒山、馬博拉斯山、新康山、関山など30座が秀麗な姿を連ね、高度差から生まれる気候に応じた多種多様な植物が生息しています

熱帯、暖帯、温帯、寒帯の森林が群生し、まるで台湾の植生状況の縮図とも言えるほどです。

こうした環境は多くの野生動物たちを育み、哺乳類ひとつとっても、34種(台湾に生息する哺乳類の54%に当たる)が生息していると言われます。

鳥類はおよそ151種で台湾固有種の15種のうち、サンケイやミカドキジは、絶滅危惧種として保護されています。蝶類も多く生息していて約410種。また、台湾の原生植物の約半数が玉山国家公園区で生息しています。

玉山公園区は、まれに見る山岳景観から世界遺産の登録基準の7(ⅶ)と、豊富な生息環境によって登録基準10(ⅹ)に合致すると認められ、世界自然遺産の候補地になっています。

*なお登山者は、台湾林務局の許可を得た上で入山をすること,日本からもネット申請が出来ます。

 

当会主催「楽習会」「視察」等における、上記候補地に関わるレポート