蘭嶼集落と自然景観

蘭嶼は、台湾東部 台東からプロペラ機で約30分、船なら直行で2時間程の、海底火山の噴火で出来た秘境と呼ばれる島です。 交通が不便なこともあってか、島内は自然が豊かで文化も昔と変わらず残されています。 島民は5,000人余り、うち90%が台湾原住民 達悟(タオ)族で、日本統治時代の同化政策の影響が強くなかったこともあり、独自の文化を守り通して来た民族でもあります。

島には椰油部落、魚人部落、紅頭部落、 野銀部落、朗島部落、東清部落、の6つの部落があり 野銀部落には暑さや台風をしのぐ為の、タオ族伝統的な半地下住宅『地下屋』が40棟程あり、タオ族の老人はこの伝統的なスタイルで生活していますが、年々住む人が少なくなり倉庫などに利用されるようになってきています。

タオ族のシンボル『タタラ船』。青い綺麗な海岸に並ぶこの手漕ぎボートには、太陽のようなマーク(「目」を表しているのだとか)が描かれています。この船はタオ族にとって神聖な船で、トビウオ漁の期間には女性は触ったり乗ったりする事はタブーとされています。タオ族の男性は貴重なタンパク源でもある神の魚と言われるトビウオを獲りに、この美しい『タタラ船』で漁業に出ます。

ー会員誌「恵風」より抜粋

蘭嶼のヤミ(タオ)族は、島の過酷な気候と風に襲われる狭長な海岸といった地形環境に対応するため、特殊な建築文化を発展させました。この文化の特色は、現地の伝統的住居や作業場、船屋から垣間見られます。島には自然の防壁が一切ないため、半地下式の家屋の建築設計は居住者を風雨から守り、同時に地域特有の文化的伝統と規範を生み出しました。これは世界遺産登録基準第5項を満たします。

広大な山地と狭長な海岸は、蘭嶼の美しい地形を構成しています。見事な自然地形や火山溶岩、魅惑的な海の風景は神話・伝説をも有し、美しい蘭嶼を形成しています。この地域には毎年200日の雨季があり、滝や霧の景色は変化に富んでいます。このほか、伝統文化と海、トビウオが密接に結びつき、この文化の特質は島の自然景観をより特色あふれるものにしています。これは世界遺産登録基準第9項を満たします。

引用元:https://twh.boch.gov.tw/taiwan/intro.aspx?id=11&lang=ja_jp#ad-image-0

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