活動報告

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【報告】阿里山世界遺産協会とオンラインで相互勉強会を実施しました!

7月に実施した阿里山スタディツアーと檜の植樹事業等を通して、当会は阿里山を世界遺産に推し進める民間団体「阿里山世界遺産協会」とお互いに協力して学び合い、その価値を広めていくことを賛同しました。

その際に、阿里山世界遺産協会が伝えたいことは、阿里山森林鉄道とともに、檜の伐採から運搬、そして製材までの一連の過程を「文化的景観」としている点であることを学びました。

そこで今回11月18日に、当会アドバイザーの飯島より「ユネスコの定義する文化的景観」について、日本における石見銀山の登録事例を参考にしながら、より具体的事例を話すとともに、協会からは7月に体験できなかった「阿里山の製材所の歴史」を学ぶ相互勉強会を実施しました。

ご参加いただいた会員の皆様、ありがとうございました。

第三回スタディツアーに行ってきました!

2019年に第二回スタディツアーを開催して以来、コロナによって停滞していましたが、おかげ様で実に4年ぶりに再開することができました!

今回は何といっても台湾の世界遺産候補地である「阿里山森林鉄道」「淡水紅毛城と周辺歴史建築群」の2か所を訪れるという充実した日程であると同時に、これまで以上の地域の団体との交流を深める重要なイベントを行う非常に濃い内容でしたので、ここで簡単にご報告いたします。

~第三回スタディツアーの主旨~

今回のツアーの最大の主旨は、「現地の関係団体との交流」です。

阿里山世界遺産協会:阿里山森林鉄道を世界遺産に登録することを視野に、2018年に設立した団体があります。設立にあたっては嘉義の基金団体や文化協会等の共同で、行政府にも賛同を得られており、文化資産局・嘉義市・林務局などの行政の支援を受けて活動がなされています。

淡水の有識者:淡水の文化と歴史の研究者であり、伝道師でもある社区大学の教授陣をはじめ、学生らでは、地域一体となった関係性が形成されています。

阿里山と淡水、そのどちらにおいても、私たち日本の台湾世界遺産登録応援会の活動をお伝えするとともに、現地側からはこれまでの世界遺産に対する啓蒙活動や、候補地の専門的知見をご教示いただきました。淡水では学生さんからもご質問を頂戴し、活発な意見交換が行われました。

~阿里山における植林活動~

阿里山国立公園の特徴はヒノキの生い茂る大森林。しかし実は1900年代初頭から伐採されはじめ、阿里山鉄道によって運ばれてしまいます。植林も行われたものの、阿里山古来の植物の生態系は、地球の長い歴史の中で見れば、急速に変化しました。そこで、当協会創立10周年記念事業として、「千年未来阿里山御神木林業活動」と題し、台湾と日本が協力して、千年後の阿里山にタイワンヒノキアカヒノキの苗木を植樹し、今後も植樹を続ける行政院農業委員会林業局の林業活動を支援します。

今回、私たちはその第一歩として、植林地域に入り、3本の苗木を植えてまいりました。

また、この植樹事業を記念して、台湾をこよなく愛する日本人陶芸家・大久保麻里子氏によるモニュメント「大切なもの」を製作いただき、阿里山山頂付近の「沼平駅」の改札に飾っていただくことになりました。この作品の意味は、この活動によって表現される千年後の未来であり、台湾の活力であり、ずっと大切にしていく”かけがえのないもの”です。

合言葉は ”We Can Share!”

今回のスタディツアーと連携した一連の活動においては、台北旭日ロータリークラブの協力を得て行われました。今回の訪台はこの会とそして台湾にとっての新たなスタートであり、当会としても今後さらなる交流を深め、台湾の自然や文化の保全、広報に努めていきたいと思います。

合言葉はWe Can Share!

阿里山や淡水では、参加者一同、この合言葉を印字したユネスコカラーのTシャツを着て参加しました。

参加された約30名の会員の皆様、大変お疲れ様でした!!

【報告】6/2 総会+記念講演

当会設立10年目を迎えた第10期総会、およびこれを記念した講演会を実施しました!

本年度は、当社団はその前身である「日本から台湾の世界遺産登録を応援する会」設立から10年目を迎える節目となる年です。

設立当初は非常に小さな団体でしたが、おかげ様で今では会員数も200名を超え、日本全国に11の支部の設立に至りました。

改めて会員皆様のご協力ならびにご支援に感謝申し上げます。

■総会について

これまで会員へのコンテンツとして、会報誌「恵風」の送付や、台湾の魅力ある地域を楽しく学ぶ「楽習会」、そして実際に現地へ行って交流する「スタディツアー」を開催してまいりました。新型コロナウイルスの影響を受け、なかなか現地に行く機会も創出できなかったこともありましたが、これからの10年は台湾支部との協働により、現地との交流機会を増やし、日本での活動をまずは台湾全土、そしてさらには広く国際社会に周知すべく活動してまいります。

本総会では、オンライン参加を含め37名、議決権行使11名、委任177名で、定款上の定数を満たし、総会は有効に成立致しました。

■記念講演について

設立10周年記念に相応しい講演会として、今回は2本立てで進行しました。

講演1.当会 台湾支部長 辛正仁より

『本会創立10周年記念行事「阿里山に千年後の神木を植樹しよう!』

と題し、7月に世界遺産候補地「阿里山」にて執り行う記念行事の事前案内をいたしました。また、辛支部長は初代代表理事でもあり、設立当初からの取組や苦労も含めて、この会への熱い想いを語っていただきました。

講演2.鳴門教育大学教授 金野誠志様より

『新北市の世界遺産教育とその目的-2016年國中教材に視点を当てて』

と題し、世界遺産登録の無い台湾の学校教育において、どのように世界遺産教育がなされ、どのように地域での理解浸透がなされているのか、ご研究されてきた内容についてご紹介いただきました。そこには世界遺産のない台湾だからこそ客観的な事実に基づいて表記された教科書であったり、当会の進むべき方向性についても重要なご示唆を頂戴いたしました。

会員皆さまへ>>次の10年に向けて、当会の活動領域を広げるべく精進してまいります。今後の飛躍にご期待ください!

【報告】國學院大學を訪問しました

八田代表理事が國學院大學の西村幸夫教授を訪問し、意見交換を致しました。

 

西村幸夫氏は、2001年に台湾政府機関とともに、台湾の世界遺産候補地を検討された日本人の一人です。2002年までの間に西村先生を含めたメンバーでの候補地は、11地域にのぼるとされ、その後台湾政府より追加等の更新がなされ、現在の18ヵ所になりました。

この日は当社団設立10年を迎え、次の10年を見据えた活動方針について、八田代表理事および飯島相談役の2名で國學院大學の研究室をご訪問し、意見交換および活動方針への御助言をいただきました。

 

 

國學院大學にて
國學院大學にて八田代表理事と
國學院大學にて飯島相談役と

【報告】6/28 総会+7/11楽習会

当会初のオンライン総会並びに楽習会を開催しました!

コロナウイルスによって延期に延期を重ねてまいりましたが、技術の進歩もあって、この度は当会においてはじめて、オンラインという形で実施することができました。

ご参加いただいた皆様、大変ありがとうございました。また理事皆様におかれましては大変お疲れ様でした。

■6/28に開催いたしました定時総会では、参加が困難であった方々もいらっしゃりましたが、

オンライン参加を含め15名、議決権行使12名、委任68名で、総社員数96名の過半数となったので総会は成立致しました。一部ご質問や確認事項はありましたが、すべての議案で承認されました。

■7/11に開催いたしました第6回楽習会「淡水の紅毛城とマカイ博士の残した軌跡」については会場10名、オンライン20名の計30名の会員にご参加いただきました。

今後も会としましては、オンラインも含めて活動の幅を広げてまいる所存です。

詳細は別途告知致しますが、8月には国立ハンセン病資料館の見学遠足、10月末には淡水と楽生院を含めたスタディツアーも予定しておりますので、引き続きご期待くださいませ!

それでは皆様、今後とも当会をよろしくお願い申し上げます。

(飯島記)

【報告】12/21 総会+忘年会☆

19年度の活動報告、並びに忘年会は大盛況!ビンゴゲームも盛り上がりました!

早いもので今年も残すところ2週間を切りました。

2019年度は当会においても活動再開2年目を迎え、楽習会に中部地区の発足、石見銀山へのミニスタディツアー、

そして何といっても10月に実施した屏東県へのスタディツアーが大盛況に終わり、活動多き1年となることができました。

これもひとえに会員の皆様の厚いご支援、ご協力のおかげであり、

理事一同感謝申し上げます。

さて次年度はさらに当会の活動の幅を広げるべく、第三回スタディツアーや会報含めてイベント実施を検討してまいります。

引き続きご期待くださいませ!

それでは皆様、良いお年を、そして来年もよろしくお願い申し上げます。

(飯島記)

【報告】8/4実施楽習会 「二峰圳の地下ダムと石板屋集落」

沢山のご参加ありがとうございました

 2019年8月4日、第6回楽習会は、鳥居徹先生(東京大学フューチャーセンター推進機構特任教授)により、鳥居信平氏が台湾で築かれた2つの地下ダム「二峰圳」と「力力渓」を主軸に、灌漑用水はどのように台湾製糖における役割を担ったのかを講演いただきました。

 下記に簡単にご報告いたします。

楽習会の様子

■屏東県に今なお残る鳥居信平の2つの地下ダム

屏東県来義郷には「林辺渓」という川があるが、古くから乾季には干上がってしまい、灌漑用水としての利用には適さない環境があった。鳥居信平は1920年にこの川の地下を流れる伏流水をせき止めることで、年中濁流になることのない真水を提供できることを考案して二峰圳という地下ダムを建設した。また3年後には春日郷の「力力渓」にも大きな地下ダム(力力渓水圳)を建築した。彼の設計したこれらの地下ダムによって下流に広がる農場は4,000haにもなり、これによって明治以降日本が発展に寄与した台湾製糖事業に大きく貢献することになる。かつての日本経済にとっても、台湾経済においても重要な役割を果たしたのだ。

■鳥居信平の功績

1920年の「二峰圳」地下ダム建造までには様々な経験を海外で積んでいたようだ。特に1918年からの2年間は、あの後藤新平の紹介などにより東南アジアを視察しており、中でもジャワ島における農林業は日本よりも進んだ技術もあったようで、どの時期に何を蒔くのが最も効果的かを図る技術は、台湾製糖にも活かされた。インドネシアの棚田と言えば「スバックシステム」という独自の水利システムと宗教・哲学的思想が結びついてできたバリ島の棚田の景観は、世界遺産に登録されている。

1923年には「力力渓水圳」の地下ダムも起工となるが、その3年後の1926年1月には竣工となり、その地下ダムによって供給される大呴(キョウ)営農場は,1700haの大きさで、現在でも多くが農地として使われている。

屏東の石板屋集落

■10月のスタディツアーで訪れてみよう

今回の2つのダムは地下を流れるので基本的に見ることはできないが、10月実施予定の屏東県スタディツアーでは力力渓水圳にて伏流水を集める進水塔等をみることができる予定だ。また春日郷と言えば台湾の世界遺産候補地の一つである、老七佳村の石板屋集落。パイワン族の集落で  、今回の楽習会でもどんな場所なのか、写真を見ることができた。ツアーでは実際に訪れる予定なので、ぜひ通常行くことができない屏東県のスポットに訪れてみてはいかがだろうか?

飯島記

【報告】中部支部発足

名古屋開催 第四回「中部地区の集い」にて、中部支部発足

梅雨空の中、名古屋では6/28に4回目となる会員の集いを開催しました。 中部地区会員(愛知・三重・岐阜)は現在14名、内10名と2名のゲストが参加し、5月総会で決定した支部会規定に基づき中部支部として発足、支部長・副支部長 を含む7名の理事が選出されました。ご報告いたします。

今回の会場は中華料理 栄吉飯店(名古屋市中区栄)、2時間30分食べ放題・飲み放題というゆったりたっぷりコースで全員大満足・大満腹。長野からご参加いただいた方もいらっしゃりました!!

中部にお住まいの方でご興味がありましたら、ぜひご連絡くださいませ。

お問合せは当hpにてメッセージをお願いいたします。

(八田記)

【報告】3/17実施楽習会 「世界遺産石見銀山と九份・瑞芳金山」

沢山のご参加ありがとうございました

 2019年3月17日、第四回楽習会は、わが国が誇る世界遺産「石見銀山遺跡とその文化的景観」と、台湾九份・金瓜石の金山について、世界遺産アカデミー認定講師であり、当会理事である飯島一隆より、実際に足を運んで体験したこと、現地で実踏調査により学んだことを踏まえて講演致しました。

 下記に簡単にご報告いたします。なお、会員の方には専用の会報にて、さらなる詳細を記載しております。

↑石見銀山を遠方に

■藤田組による鉱山開発

島根県大田市に位置する石見銀山遺跡は、16世紀に朝鮮半島を渡って伝播した灰吹法による銀の精錬技術により、良質で大量の銀が採掘され、最盛期にはヨーロッパまで銀が流通し、文化の交流が見て取れるとして、2007年に「石見銀山とその文化的景観」として世界遺産に登録されます。

一方でこの石見銀山には、明治時代に藤田組(現DOWAホールディングス)により築き上げた銀の精錬所跡「清水谷製錬所跡」を含むのですが、当時の藤田組が、じつは台湾でも同じように鉱山開発を行ったところがありました。それが台湾の世界遺産登録を目指す18ヵ所の候補地の一つ、金瓜石の鉱山だったのです。

■構成資産 銀山柵内に含まれる「清水谷製錬所」と金瓜石「十三層遺跡」

 石見銀山では、14か所の構成資産のうち、観光で最も訪れる機会の多い「銀山柵内」が世界遺産登録の中核の一つになっています。そしてそのエリアに含まれるのが、清水谷製錬所です。石見銀山としての観光スポットとしてはメインではないかも知れませんが、ここが台湾と大きなつながりがあったのです。

↑清水谷製錬所跡

清水谷製錬所は、明治28年に藤田組が20万円(現在では約20億円)かけて作ったもので、富岡製糸場が24万円だったことからも、かなりの資金を投入して造ったことになります。精錬法は当時の藤田組の任命による、武田恭作が編み出したもので、精錬所も藤田組が作り上げたものです。しかしわずか1年半で銀が想定ほど産出されないことが判明し、操業停止となりました。

その一方藤田組は、ほぼ同時期に台湾へ進出します。とりわけ1896年から1916年の20年間は瑞芳鉱山の開発に力を尽くしたようです。まさに清水谷製錬所の段々になっている台地は、金瓜石の十三層遺跡とそっくりです!

↑金瓜石 十三層遺跡

1890年、かつて金瓜石を含む水湳洞では、偶然にも砂金が見つかったことに端を発し、清国による砂金局を設置されます。日清戦争後、1896年日本政府による藤田伝三郎に瑞芳と九份、田中長兵衛に金瓜石の採掘権を与え、藤田組は石見銀山から、瑞芳山への技術者や管理職を派遣することとなりました。

ただ思わしい結果が出なかったために撤退しますが、石見銀山と金瓜石、遠く離れていても、清水谷製錬所跡からは金瓜石にそびえる十三層遺跡を連想させてくれますね!

■日本と台湾、ともに手を取って相互交流を

石見銀山調査の際に、「石見銀山ガイドの会」の会長含め、様々にお話をいただく機会がありました。当会についての目的と活動について話をしたところ、とても興味深い、ぜひ会全員でお越しください、とおっしゃっていただけました。過去大田市と金瓜石黄金博物館とで共同のシンポジウムを開いたことがあるそうですが、その後大田市の職員が金瓜石に訪問し、さらにその後、ガイドの会も数名金瓜石を訪れたそうで、その時の感動は今でも覚えているという話も聞きました。今一度、今度は国や県、市ではなく、私たち民間で金瓜石と石見銀山の相互交流を図っていくのもいいかもしれません。

【報告】4/25 台湾文化センターへの表敬訪問

台湾文化センターの王センター長を表敬訪問しました。

左から王氏、平野、片木、黒塚

 

 

 

 

 

 

4月25日、平野代表理事、片木理事、黒塚監事とともに、虎ノ門の台湾文化センターへ。
1月に前任の朱文清氏が退任帰国され、王淑芳センター長が就任されていたのですが、なかなかご挨拶の機会がなく、ようやく実現できました。

王センター長には、当会の設立経過、活動の主旨、最近の状況、会員の台湾愛などをご説明し、文化センターでのイベントにもぜひ参加をさせていただきたい旨、いろいろお話ししてきました。秘書の楊雅恵氏が通訳兼説明係で同席くださりましたが、センター長も日本語で私たちと会話をしてくださり、気さくなお人柄を感じました。

センターとして、積極的に当会に協力をお約束いただき、私たちが持参した会報第4号、5月18日の楽習会案内、そしてついでに近日刊行の牡丹社事件を題材にした拙著のフライヤーまで入口に置いていただきました!

当会は引き続き、文化センターと交流を持ちつつ、活動に邁進してまいります、どうぞ応援のほどよろしくお願いいたします。

近日刊行予定:平野代表の著書「マブイの行方」の案内書を置かせていただきました。